「なに言ってんだろ…あたし…」


あたしは気をまぎらわそうと、勉強を始めた。

計算用の白い紙を取ろうと、引き出しを開けた。


少しかけたシャープペンシルが目に入る…

お兄ちゃんのシャープペンシル…


「お兄ちゃん…」


涙が溢れ出す。

あの時あんなに泣いたはずなのに…

何度拭いても次々と涙が出てくる。