急いで身支度をすませ、玄関に向かった。

ドアを開けるとあたたかい風があたしを迎える。


「もう春か…」


その風は春を香らせるやわらかい風。

春風…

今のあたしにピッタリの風。

今の気持ちにピッタリの風。


「よし…」


勢いよく右足を踏み出す。

そして学校に向かって走り出した。