「お願いです。俺の変わりに未来を支えてやって下さい!」

「ちょっと、そんなことやめなって!」


雪先生が必死に起き上がらせようとしても、多岐君は頭を上げない。


「俺じゃダメなんです。先輩じゃなきゃダメなんです…」

「ちょっと…」

「お願いです…お願いです…」


あたしは走り出した。

もうあんな多岐君の姿を見たくなかった。

見れなかった…

あたしはバカだ…

多岐君のことなんで信じてあげられなかったんだろ…

あたしをふったのも優しさだって

なんで思わなかったんだろ…