「未来に俺より好きな男ができたんですよ…俺なんかとてもかなわない男…」

「……」

「だからふってやったんです。一生思い出せないくらいきつく…あいつ、そうでもしないとダメだから…」

「あいつには…未来には前に進んで欲しいから…」


多岐君は空を見上げる。

あたしには涙をこらえているように見えた。


「…今でも、未来ちゃんのこと好きなんだね…」

「好きかどうかは分かりません…ただ、幸せになって欲しいって思うだけです…」


そう言って多岐君は地面にひざをついた。

そして頭を下げる…