「ほら、観覧車で俺…」


あたしは誕生日の日を思い出した。

観覧車の中でキスしようとしたこと…

多岐君はそれを謝っているの?


「ほんとごめんな…」


多岐君は下を向く。

多岐君は悪くないのになんで謝るの…

謝るのはこっちなのに…

でもあたしは言ってしまった。


「いいよ…」


多岐君はその言葉を聞くと暗かった表情が明るくなっていく。


「ほんと!?よかったー!」


あたしは喜ぶ多岐君を見れなかった。

あまりにも見るのがつらかった…