次の日、あたしは笑顔になれた。

昨日雪先生が話してくれた『えがおのしずく』の話も作り話だって気づいていたけど、

あたしは信じた。

だから笑顔でいようと思ったし、笑顔でいたいと思った。


「雪先生にお礼言わなきゃな…」


昨日のことを思い出すと少し嬉しい気持ちになる。

ふと下を見ると、誕生日に多岐君からもらったペンダントが目についた。


「多岐君…」


あたしはそのペンダントが少しだけ重く感じた。