観覧車に乗ると、少し不安がこみ上げてきた。

でもそれは一瞬で吹き飛んだ。

その気持ちを吹き飛ばせるくらいのものが見えたから…


「きれー…」


そこに見えたのはライトアップされたキラキラと輝いている遊園地。

まるで宝石箱を覗いているみたいだった。


「…大丈夫?平気?」


多岐君が隣から心配そうにあたしを見る。


「大丈夫。この風景見たら一気に楽になったよ。」


あたしがそう言うと多岐君から笑顔がこぼれた。

そしてその笑顔を見たとき、あたしは少しどきりとする。