「多岐君、あたし…」


話そうとすると多岐君が指であたしの口を押さえた。


「今は話さなくていいから…」


あたしは泣きそうになった。

多岐君のその優しすぎる優しさは、とても嬉しくて、切なくて…

あたしはその優しさに甘え、

多岐君の腕の中で、ゆっくりと眠りに入った。