でもその気持ちは一瞬で吹き飛んだ。

多岐君に渡されたパンフレットを見た瞬間に。


「ここの遊園地、前から行ってみたかったんだよね~この大きい観覧車、絶対乗ろうな。」


あたしは目の前が真っ暗になった。

手の震えが止まらなくなる。


「未来…?どうした?」


あたしの異変に気づいた多岐君は震えた手を握ってきた。


「いや!」


気づけばあたしは多岐君の手を振りはらっていた。