夏休みに入る少し前、帰り道に多岐君が言ってきた。


「夏休みさ、どっか行かね?」

「どっか?」

「遊園地とか。」

「え…」


あたしはあの事故を思い出した。

みんながいなくなったあの事故…

あたしはあれから遊園地には行かなくなっていた。

なんだか怖くて、つらくて…

また誰かがいなくなるような気がして…