「多岐君、なんで…」

「なんでって荷物取りに来ただけだけど。」

「そっか…」


頬に流れた涙に気づく。

あたしは急いで制服の袖で涙を拭いた。


「泣くのはいいけどさ、教室で泣くのはやめてくんない?」

「あ、ごめん…」


あたしはまた下を向く。

自分のふがいなさにまた涙が出てくる。