パァと明るいスポットライトが照らすステージの上。


バクバクと、今にも飛び出してきそうな心臓。


ゆっくりとマイクスタンドを握りしめて

俯いていた顔をあげたら、目の前に大勢の観客があたし達を見つめていた。


マイクスタンドを握る指が震えている。

足がガクガクと震えて喉がカラカラに渇いてる。


生唾を飲み込んで無理やり潤わせた喉をゴクリとならして瞼を閉じると


あたしの背後で「自分を信じろ」と叫ぶ雄大の声が聞こえてきた。



その声に背中を押されるように、瞼を開けて、上を見上げたら


遠くのオレンジ色に染まった夜空の向こうに一番星が輝いていた。



歌える。きっと大丈夫。



心の中で唱えて、あたしは言葉を紡ぎ始めた。