入学してから早一ヶ月。

わたしは遠也と少しずつ、少しずつだけど仲良くなっていった。

「沙名~~英語の宿題写させて~」

「やだ!安江のためにならないしー」

「そこをなんとか!!!」

「やだよ~~」

わたしのことを『沙名』と呼び捨てにするあなた。

まだ照れくさくて『安江』と苗字で呼んでるわたし。

わたしだって……『遠也』って呼びたいんだよ?

だけどさ、はじめに苗字で呼んじゃうとなかなか変えられないね……


そんなことを考えてるとふと、安江がわたしに話しかけた。