琴子は時々、俺の気を引きたくなると


俺のことを『ケンぼー』と呼ぶ。



小学生の時同じケンって名前のヤツがケンぼーって呼ばれていたから


俺も『剣志郎』のケンだから


『ケンぼー』らしい。



...っつーか///
マジでガキみたいで恥ずかしくね?



「ケンぼーだと?いい度胸じゃねーか。」



俺はくるりと後ろを向くと

そんな琴子に向かってツカツカと迫る。



琴子は一瞬怯みながら



「なっ////なによ?やる気?」


なんて、
強がって見せる。



「あぁ、何度言ってもわかんねぇヤツはお仕置きだ。」



「やれるもんならやって見なさいよ!」



べーっと舌を出して逃げる琴子を

追い回す。



そんな自分がホントに
笑える。


今までホンキで恋愛なんて
したことがなかったから。



愛とか恋とかバカらしいって

思ってた。