麻子は堰を切ったように泣き始めた。
「辛かったけど…あれからいっぱい友達もできたんだよ…っ。お兄ちゃんとママにも負けなかった」
「そっかそっか」
ケンゴはすべてを悟ったように麻子の頭を撫でた。
「さて。そっか。俺の名前…聞きたい?」
「そういえばケンゴ、しか知らなかったね?」
「初めまして、麻子さん。鈴原 健吾っていいます。」
「健吾…さん。初めまして!」
そう言って二人であははと笑いあった。
お兄ちゃんとママに勝ったあたし。
自分の弱さに勝った健吾。
きっと今。
あたしたちすっごく強い二人なんだろうな。
これからも今の幸せなキモチを忘れないように・・・
ゆっくり、ゆっくり手をつないで歩いていきたい。
きっと、あたしはあなたと出会うために生まれてきたんだ。
そう信じている。
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