「…あ」


おにぎりを選んでいたら、いきなり声をかけられて、

なんだろうと振り向くと。





あたしにウザいって言ってどこかに行ってしまった友達がいた。



「…あ、のね…麻子…」


「いいよ、気使わなくても。あたし、一人でも大丈夫だから」



いきなりあたしの体がほんのりと暖かくなった。


友達があたしに抱き着いてきていた。

ぽろぽろ涙をこぼしながら。




「え?ど、どうしたの?」


さすがにあわてたあたしはいったん友達を放すと、

事情を聴いた。