「ただいま。」


いつもはびくびくしながら帰った玄関。

今日は堂々と家に入る。



「…麻子!?何やってたの!!あんた学校サボったんでしょ!」


ママはお帰りも言わず、そう叫ぶ。



あたしは、それには答えず、



「ママ、お兄ちゃんが受験に失敗したのはあたしのせいじゃない。
パパが星になったのもあたしのせいじゃない。
ホントは誰のせいでもないってわかってるんでしょ?」


「…は?あんた何言ってるの?あんたがガチャガチャ音を立てるから…!」


いきなり口答えしたあたしに、ママは驚いてるみたいだったけれど。


「うるさいっ、勉強に集中できないだろ!!」



お兄ちゃんが一階に下りてきた。


「麻子、お前学校は?」


あたしはそれもシカトして続けた。