「いらっしゃいませー」



遠慮しても「買う!」の一点張りだったケンゴに
結局折れた私は、

今洋服屋さんに来ている。


「可愛い…」


私が持っているのはパパが生きていたころ
私に買ってくれた少し幼い洋服たち。


でも、外に出ることも
友達と遊ぶこともない私にはパパの洋服だけで十分だった。




「これなんか似合うんじゃね?」


「試着室空いてますよ、どうぞ~」


店員さんに勧められ、試着室へ。





花柄のワンピ-ス。


私には一生縁のなかったひらひら、ワンピース。