スーツをビシッと着こなしている相手は、


「…おはようございます。…俺も、サボりたいなって。」


本当いうと、少し怖かった。


「し、仕事を…ですか?」




なのに、


「そうそうー♪君、なまえは?」


「川崎、麻子。中3です…。」


「そっかー。今年受検かぁー。」



普通に話している自分がいた。





「俺は……。…秘密」


「秘密…じゃなんて呼べばいいですか…?」


「ケンゴ。そう呼んでよ」


「ケンゴ…さん。」


「違う違う、ケンゴ、でいいから」


「ケンゴ……。」




かぁ、と自分で言っていて顔が赤くなっていくのがわかった。



男の人を呼び捨てにするのは…初めて。