無我夢中で叫んだ。壊さないで。壊さないで。って。僕、自分がいなくなったみたいで怖かった。
そのあとは母が怒っている言葉なんて耳に入らなかった。
ただただ父に暴力を振られたことが怖くて、男の人に殴られるのが怖くて、怯えながら震えながらないた。母がタオルを取ろうとしたり手を動かしたりするだけで体がビクビクして『ぶたないで。…ごめんなさい…』って何度も繰り返して震えてた。
母は心配などしない。
なんで泣いてんの?なくなら最初からやんなよ!とか何とか怒ってる。
はやく泣き止まないとまた叩かれるよ?って何度も言うんだ。そんな早く泣き止めるわけない。私はタオルを噛み締めて震えを我慢して声を出さないように頑張った。
当分は眠れなかったけど、いつの間にか寝ていて、朝起きたら目は腫れていて、首には赤い二本の生々しい傷があった。
昨日のことを傷を見るだけで思い出してしまう。
学校にいった。傷は隠さなかった。隠すものもないし目立たないと思ってた。
でも皆『それどうしたの!?』とか『痛い?』とか言ってくる。心配してくれるのは嬉しいけど、傷の事を言われると涙があふれでてしまう。
でも泣くわけにいかず我慢した。首を曲げたり声を出すと痛か