あたしの名前は


伊藤愛音。いとうまなね。あたしはこの名前がだいっきらい。
嫌いで嫌いでしょうがない。

愛の音…あたしにはそんな音聞こえない。聞きたくない。聞こえなくていい。

なんでお父さんはこんな名前をつけたのだろう。…お母さんはすっごい反対したらしい。…そりゃあ、そうだろうと今は思う。


伊藤愛音は。学校では

元気で明るいクラスに好かれる人になる。自分で自分を創る。

だから、いじめられないし、みんなから可哀相な目でみられなくてすむ。

でも、絶対に親友とゆう友達を作らない。ただの、遊び仲間みたいなカンジでそこでストップする。親友だよ、とか、一生友達でいようね、とか。言われても。絶対そしんなことまず、ありえない。絶対みんな離れてく。だからあたしは、自分の過去をはなしたのは
輝くんが初めて。誰にも話したことがない。

あたしがゆういつ、信じた人。信じてた人。

でも。今はもう信じてない。信じられない。

あたしはもう、人間の感情というものがわからない。

何を食べても味がしない。おいしくない。
何をしても心が満たされない。
何をしても、何が起こっても、何も感じない…。


あたしはおばさんに、人間じゃないといわれた。

先生が死んだ時。もう、わからない。

わからない。わからない。

何もかも…―――――