「サンゴ、表彰式行ってこい。俺が見とくから」
「…そう?じゃあ、行ってくる。千優また明日ね」
「うん。バイバイ」
壱に促され、サンゴは保健室を出て行った。
ふぅ〜…
終わったんだ
時計を見ると、調度3時半過ぎ。
2時間くらい寝てたんだ。
お陰で身体は少しラクになった気がするのに。
何だろう、この感じ。
「……泣けよ」
「…」
「もう我慢しなくていい」
「……ッ」
「誰も見てねぇから」
そう言うと、私を抱きしめた。
「…ふッうう……ック」
ポンポンと規制良く背中を摩られ、涙腺は壊れた。
「ぅッわぁぁぁああぁぁーん!!」
「良く頑張ったな」
…壱は分かってたんだ
私が最後までプレー出来なかったやり切れない思いを溜めてた事。
そして、何処にぶつけて良いか分からない私を優しく抱きしめて泣く場所を与えてくれたんだ。
人前であまり泣かない私だけど、コイツがいつもと違う優しい瞳で、優しい声を出すから
壱の胸で涙が枯れるまで泣き続けた。
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