それからたわいもない会話が続き、あっという間に時間が経った。
午後からの試合がまもなく始まろうとしている。
「揃ったか…?よし!午後からの試合を始めっぞー」
里中先生の合図で中央(センターサークル)に整列した。
Aコートには私と壱VSMaster龍ヶ崎君とHoney飯田さん。
BコートにはサンゴとシンVSMaster原片(ハラカタ)さんとHoney満音(ミツネ)さん。
唯一クラスで女同士のペアが残るなんてスゴい強敵かも知れないな。
サンゴ達頑張って!
て、私も集中しなくちゃ!!
審判が投げると同時にタイマーが動き出して、試合が始まった。
「Master壱ッ」
――――パシッシュッ
「ナイッシューです」
私のパスを受け取り、確実にゴールに決める壱。
…流石だと思う。
無駄な動きが何一つ無い。
私が欲しい所にパスを出してくれるし、走って欲しいコースをドンピシャで走ってくれている。
まだまだ余裕そうな壱に対し、私は少し息を乱していた。
このくらいいつもならまだ平気な筈なのに、足が重い…。
鉛を付けて走っているみたい。
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