あの地獄のような日々のお陰で聖蘭学園に受かって、しかも特待生まで選ばれて本当頑張って良かったな。
なんて、しみじみ考えながら階段を降りた。
「おはよ」
「あら、おはよう千優」
台所でお弁当におかずを詰めてた手を一旦止めて、私の顔を見て微笑む。
「今日入学式よね?」
「うん」
「…御免ね、千優…ママ」
「分かってるよ、ママ」
申し訳なさそうな顔で謝ってくるママに、首を横に振って笑う。
私のママは何時も朝から晩まで仕事が忙しくて、休日が余り無い。
平日なら尚更休むのは難しいみたい。
「新入生代表の挨拶しっかりね」
「うん、任せて!」
右手をピースして、朝食のトーストを食べた。
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