あっという間に初授業が終わっていき、帰り支度をしていた。



「おい、千優」

「何でしょう?Master壱」


敬語をあまり使わない私だけど、今日一日で結構習得したと思う。



「今日は俺ん家来い」


…んん?

「幻聴が聞こえたんですけど?」

「俺ん家に来い」

「うわ、またッ」

「…何回も言わせんな」

壱は深く溜息を吐いた。



いやいや、だって

俺ん家=壱の家

だよ?


家に行って何すんのさ!


もしやアレか?


怖ーいホラー映画が一人じゃ怖いから一緒に見てくれ
とか?

今日は家に誰も居なくて構って欲しい

とか?


ふはッ
想像したら何だか笑える。


「…仕方ないなぁ」

ニンマリと微笑み、了承した。


それに不快な顔をした壱を見て、更に頬が緩みニヤけていた。



だけど。

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