時刻は只今8時15分。
「…遅ぇよ、馬鹿」
間に合わなかった私に、壱は眉間に皺を寄せ私を睨んでいる。
そんなに皺寄せると顔変形しちゃうよ〜
…とか思うけど声には出さない。
油に火を注ぐなんて馬鹿な真似はしないよ?
まだ命は惜しいからね。
「もう少し時間遅めにしよーよ?」
けど、私は命知らず。
小さな抵抗を試みる。
「Masterの言う事には」
「…はい。すんません。頑張らせて頂きます」
「分かってんじゃねぇか」
敢なく私の抵抗はバッサリ切られ仕方なく素直に謝ると、口角を上げて不敵に笑う。
むっムカつく!!この俺様野郎〜〜〜ッ
せっかく、全速力で自転車を飛ばしたものの、それは水の泡となった。
学園に着いたら、門の前には一台の高級車っぽい車が停まってて
開いたと思えば壱が出てきてこの状況。
しかも壱は30分も前に着いていたらしい。
そりゃ怒りもする訳だ。
だけど、低血圧な私にとっては難しい指令だ。
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