カタンと電車が停まる衝撃で目が覚めた。駅名を見て少し焦る。俺が降りる一つ手前の駅だったからだ。かなり寝ていたらしい。涎をたらしたりしてなかったか少し不安になる。跡は残っていないからたぶん大丈夫だろうけど。窓の外のベンチでおばあさんが寝ている。その足元で鳩がのんびりと歩いている光景は、二年前とまったく変わらず、ほのぼのとしたものだった。ピィーと笛がなり、発車のベルがけたたましくなり響いた。ゆっくりと電車が加速していく。左手に山を見ながら、長いカーブを曲がり終えると、右手に銀に煌めく海が広がった。
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