冴子はなぜか早足ですたすた里香を置いてきぼりにするかのように歩き出した





「待って」そう里香は声を出した





駆け足で追いついて冴子と並んだ




「冴子さんはやい歩くの」「ごめんなさい」「いつも小さいころから母親に早く歩けとせかされてきたから」なんとなく厳しい家庭で育っていた彼女の様子が手にとられた





教室に入ると、もう学生がたくさん来ていた





がらっ教室が開くと、冴子はことっと席に座った



「ねえこれって自由席?」「そうらしいわ」