「此処で何してるんですか?」
私は気になって聞いてみた。
「敬語はいらないよっ。歌の練習してるんだっ」
「歌の練習?」
「鈴ちゃん僕達の事知らないんだっ!結構有名なんだよ、ここら辺では」
「えっ?」
「僕がベース、悠ちゃんがボーカルで、もう1人の玲(レイ)ちゃんってのがギターで、涼(リョウ)ちゃんがドラムなんだっ。ロックバンドを組んでてねっ。因みに玲ちゃんの本名は玲(アキラ)なんだよっ」
「余計な事言わないでくれる?」
そこに現れたのは、絡みにくそうな金髪の男の子だった。
「あっ、玲ちゃん」
「玲ちゃんって呼ぶなっ」
「別に良いじゃんか〜」
暫くもめている2人を見ていると、優しそうな男の人が入ってきた。
「何の話をしてるんだ? 誰だ、その子は?」
「悠ちゃんの幼馴染みなんだってっ」
私は取りあえずペコリと頭を下げた。
「そうなのか、宜しくっ」
そして次は、知らない男の人が入ってきた。
何かかっこいい感じの人だ。
“誰だろう?”と思っていた私は、櫂くんの次の言葉でその人物が明らかになった。