僕を上から下までじろじろと見、

「本当に俺の事を知ってる人間なんだな?
 上手い事言ってこいつを……」

 と言って、ウォッカの瓶を僕に見せ、

「取ろうなんていう不届きな輩じゃないんだな?」

 と、睨み付けて来た。

「勿論」

 僕は飛び切りの笑顔で、T・Jに親愛の情を表したつもりだったけど、果たして彼は、僕が思っていた程にそれを感じてくれたかどうかは自信が無かった。

「ねえT・J、良かったら、あっちで僕達と一杯やらないかい?
 ウォッカは無いけど、ビールならまだ1ダース以上はあるし、お腹が空いてるなら肉も沢山あるよ」

「本当か?」

「ああ」

「フライドポテトもあると最高なんだが……」

 T・Jの言い方が可笑しくて思わず笑ってしまった。

「とうもろこしじゃ駄目かい?」

「いや、充分だよ」

 僕達のやり取りを見ていたリュウヤさんが近くにやって来て、T・Jを見るなり声を上げた。