信也との文通は細々と続いていた。
信也は文章を書くのは得意ではないようで、内容も短く、送られてくる回数も少なかった。

それでも愛美はすごく嬉しかった。

大好きな人との文通。
不器用な内容も信也らしくて、さりげない優しさが伝わる。


そして何年かたち、手紙で信也が受ける私立の高校が知らされた。

(信也と同じ学校に行きたい・・・!)

愛美は家の都合で高校生になったら東京に引っ越すと決まっていたし、都合がよかった。

何よりも信也と同じ学校に通えるとしたら、夢のようだ。

だから自分の学力より遥かにレベルの高いその高校を受験することに決め、寝る間も惜しみ、必死で勉強した。

つらい受験生活だった。


そして見事合格。