「嘘っ! それ本当!?」
……あー、そうだった。
莉那は恋する乙女。恋のジンクスとかそういうのには目が無い子なんだった。
しかも相手は……
「ホントらしいよ。ウチの先輩、成功した人結構いるから」
「そーそー。きっと雅輝くんだってオトせるよー。ね、響歌」
美希に話をふられて、「あー、うん。そうだねー」と適当に頷く。
莉那の好きな人っていうのは、何を隠そうわたしのいとこである雅輝なのだ。
「うーん、雅輝のこと好きなのは分かったんだけど、どこが好きなの、莉那?」
わたしにはただの無表情な奴にしか見えないんだけど。
そう思って聞いたら、莉那に「響歌は身内だから分かんないんだよっ」と返されてしまった。