授業と授業の間の休み時間中、わたしはよく美希としゃべる。

勿論、2人だけじゃなくて、莉那とか綾音も一緒なんだけど。



「そういえばさ、もうすぐ体育祭だよね」



莉那がうきうきした様子でそう言った。

彼女は運動神経抜群で、大抵のスポーツならなんでもこなせる。

それに、バレー部に所属していて、キャプテンもしていたりする。




「あー、そっかー。そろそろ練習が入ってくるよねー」



わたしは、はぁーっと溜息をついた。

体育祭の前は、体育が男女合同になるから面倒くさい。

絶対拓真とかいろいろ言ってきそうだし。




「あ、ねえねえ。響歌たちはさ、体育祭のジンクス知ってる?」



美希が思い出したように言った。




「あぁ、なんか去年、ウチの部の先輩が言ってた気がする。ハチマキのヤツでしょ?」



美希の言葉に、綾音が頷く。

吹奏楽部は先輩後輩の仲が良いらしく、綾音は、そういう学校のジンクスなどを結構教えてもらったりしていたそうだ。



美希は「そうっ!」と楽しそうに笑った。