【いきなり何? しかも一方的だよ、あんた。ていうか何でメールしたの】
一気に打って、送信ボタンを押した。
「相手にメールが届きました」という画面を確認して、拓真のアドレスを登録しておく。
そして、リビングに下りて行き、遊びに来ていた雅輝の腕を掴んだ。
「ねえ! 何であんたは拓真にアドレス教えたのよ!」
「あー……この前聞かれたなー……。何、メール来たの?」
わたしとは正反対の落ち着いた態度で、さらりとそう返される。
質問してるのはこっち!
「質問に答えて。な・ん・で・教えたの?」
「だって響歌、学校で拓真と仲良いだろ? メールする相手が増えていいじゃん」
「わたしとあいつのどこが仲が良く見えるの……」
会ったら喧嘩してるようなわたしたちのどこを見てるんだろう。
ていうか向こうが勝手にいろいろ言ってくるんだけど。
「……もういいや。これ以上、勝手に他の人にわたしのアドレス教えないでよね」
雅輝に念を押して、わたしは部屋に戻った。