チカチカと携帯が光る。



「あ、メール……」



わたしは携帯を手に取った。

大抵、金曜日の夜にメールを送ってくるのは、親友の美希。それにその内容も大体同じで「明日遊びに行こうよ!」っていうようなメール。

だから無意識のうちに、明日の予定が何もないことを思い出しながら、メールボックスを開いた。



「あれ? 美希じゃない……?」



見たことのないアドレス。件名に【響歌?】とわたしの名前が書かれている。

迷惑メールとかじゃないよね、と思い、メールを開いた。


本文には【響歌? 俺、白河拓真。雅輝にアドレス聞いた。なんか用あった時メールするから登録しといて】と一方的な文章が書かれている。


雅輝はわたしと同い年のいとこで、同じ学校に通っている。クラスは違うけど。


で、メールを送ってきた拓真っていうのは、わたしと同じクラスの男子だ。

小学校からの付き合いで、くされ縁なのかは知らないけど、中学3年生になった今でも同じクラス。

結構目立つ男子で(決して不良とか言うのではなく)、リーダー的な存在……だったりするらしい。

わたしにとってはただのうるさい幼馴染みだけど。



「……何で雅輝はあいつにわたしのアドレス教えたのよ……」



はぁーと溜息をついて、とりあえず返信をしようと、ボタンを押した。