体育祭の練習が始まった。

練習中、莉那は、雅輝の方をチラチラと見ては、目が合いそうになったところで目を逸らしたりして、きゃーきゃー言ってる。


凄いなー……。

わたしはそんな様子を見ながら、溜息をついた。



その時。



「! 響歌!!」




ぐらり、と視界が揺れる。


あ、ヤバい。貧血、かな。



歪んだ視界の端っこに、美希と……もう一人、誰か良く分からない人が慌てて駆け寄ってくるのが見える。




ばたりと体育館の床に倒れこんだわたしの意識は、そこで途切れた。