ライブ終了後、表には
出待ちをする
女の子が何人もいた。

夢子は、少し離れた所で
翔を待とうと、していたが
最初の約束を
思い出し、メンバーに迷惑が
かかる事を考え、美果と
ライブ会場を後にした。

夢子にとって、夢の様な
1日だった。

家に帰ってもライブの興奮と
翔の言葉が耳に残っている。

<翔に、会いたい!

今すぐにでも!>

夢子の頭の中は翔の事で
一杯で何もできないで
ただボーットしている。

夢子は今の気持ちを
美果に電話して気を紛らす
事にした。

携帯から美果の声が
聞こえた。
夢子は!

「私!翔君が、もう!もう!

大好きで何もできないの」

「翔君のことで何でもいいから

  教えて?」

美果は

「あのグループの人たち

余り他人のこと、話さないの」

衛も同じで、翔の事は何も
言わない。

夢子にとって、翔とのつながりは
美果だけだ。

しかし、衛との関係が微妙な美果に
これ以上、聞けない。

美果が、思い出したように

「翔君の電話番号なら
  
   知ってるよ」

それは、衛とのデートの時
衛の携帯に翔から
電話が掛かって来た時
衛の携帯の充電が少ないため
美果の携帯で翔にかけ直した。

その時の翔の電話番号が
美果の携帯に残っていたのだ。

夢子はそれを聞いて
当然教えて欲しいと美果に告げると
実果が

「夢子!本当にいいの?

私は、衛の事1年位知って

付き合ったんだ。

まだ夢子は、1回だけで

翔君の事何も知らないじゃない?

夢子に何か在ったら私が困るから!」

「ちゃんと、翔君の事 観察して

 本当に付き合うか決めるなら

教えるけど?」

夢子は自分事を心配する
美果の言葉を感じ!

「わかった!チャント観察して

それから付き合うから!」

夢子は美果から翔の電話
番号を聞いた。