それから数年後
桃香が小学1年生の時
銀座へ母と二人で買い物へ
行った時だった。

細いビルの谷間の路地を
二人が歩いていた時
桃香が立ち止まって

「ママ! この道

行ったらだめ!」

そう言って
母久美子の手を
引っ張って
戻り始めた。

その時だった

「ギャー!」と言う

女性の悲鳴が
聞こえてきた。

ビルの壁がはがれて
落ちてきた。

その壁が女性にあたり
女性の頭から
おびただしい血が
流れていた。

久美子はその時
はっきり判った
この子は、予知能力が
あると・・・!

しかし、他の人に言えば
この科学の進んだ世の中
信じてもらえないどころか
変人あつかいされる。

そんな、事になれば
可愛い娘桃香が
興味本位でみられ
これからの桃香の
人生にマイナスに
なるだろう。

母、久美子は桃香に

「桃香、今日の様な危険が

起こること、どうして

わかるの?」

幼い桃香は母に

「急にね!背筋から

首の方に寒気が襲うの」

「そうなの!もし今度

そんな状態に成ったとき

ママにだけ話して

他の人には絶対言っては

いけないよ!」

桃香は母の心配そうな
言葉を理解して

「わかった!

誰にも言わないから」

と答えた。