カメラマンはその名前を
副支配人に告げると
マイクで
衛と美果の名前が放送された。

衛はその放送を聞き
不安げに美果に・・

「此処に居る事

誰も知らないはずだけど

美果!誰かに言った?」

美果も不安げに

「誰にも言ってないよ!」

おそるおそる衛は
手を上げた。

「円藤ですが」

するとボーイが電話を
持って来て、

「持田さまから

お電話です」

そう言って手渡した

「もし?もし?衛

見てたぞ・・・!」

その言葉に衛は
戸惑っていた。

「桃ちゃん、なんだよ!」

意地悪そうな桃香の
電話での言葉に千裟と
美果のフタマタを
責めているように
衛には聞こえた。

「仕事ね!今日もう

終了だから、

そちへ行っていい?」

その事を美果に
告げると美果は
指を丸めた。

「いいよ!

どのくらい掛かるの?」

「すぐに、行けるから

10分以内に着くよ」

桃香は時間通り
レストランへ来た。

肩紐のついた
白いワンピースのミニ
ピンクのキャミソール
にショールをかけ
人の目を引く
華やかな登場だ。

店内に入ると
直ぐにお客の目線が
桃香に注がれていた。

直ぐにボーイが桃香を
エスコートして
衛と美果のテーブルへ
案内し、椅子を引いて
桃香を座らせた。