美果との別れから
家に帰って、衛は、
胸の中に鉛の入った
ように心臓が重く
やりきれない気持ち
だった。

夕食が入らず、
相変わらず胸の中の
鉛は取れない。

自分の部屋に入り
美果への惜別が
本当に美果を愛する
気持ちだと考えていた。

でもこの胸の鉛の重さ
がどうしても盗れない。

衛は、離れの祖母の居間へ
行き、サイドボードの中の
酒を見ていた。

お酒の種類など判らない
どれに仕様か考えていた!

その中にナポレオンと
歴史の人物のラベルを
みて、手に取った。

<これでいいかな!>

衛は、そのビンをとり
自分の部屋に帰った。

詮を抜き、ビンから
直接、口に銜え
美果を忘れる行動を
した。

初めての洋酒だが
少し甘く衛は
口当たりのよい
ナポレオンを飲んで
美果を忘れる
努力をした。

しばらくして
ベッドの背から
立ち上がろうとした時

腰が立たない!
天井が回っている
気持ち悪い!

*ナポレオンの仕業だ!*

気持ちが悪く衛は、
あげてしまった。

でも、まだ涙や鼻水など
が止まらない。

そして、心臓の速さ、
今までに、経験した事の無い
苦しみに、陥った。

衛は、

<もう、俺は死ぬんだ!>

そう感じていた。

「死ぬ!しぬ?・・・」

何度もベッドの上で
叫んでいた。