そう言って美果は衛の
胸に抱かれた。

京都・奈良は歴史的文化財
があるからとの理由で
空爆を避けていた。

そんな
常識あるアメリカが
何で無差別兵器の原爆を
使用したのか?

いずれ日本は敗戦国に
成ることは判っているのに?

衛と美果はその事で
いつも、まじめに
話をしていた。

衛はいつも、博識ぶりで
美果に教えていた。

素直に美果も疑問を
投げかけて・・・

不良の誰かとの
会話が無意味で
教養のなさを
実感して反省していた。

一緒にいて話している
だけで、楽しい。

この関係がいつまでも
続く事が美果の
夢だった。

外の景色を見ながら衛は突然!

「美果って、綺麗で

可愛くて!俺の知ってる

だけで、何人も美果のこと

好きな男知ってるよ」

衛の意味ありげな言葉に
美果が怒りそうな声で

「なによ!急に?」

「いやね!・・・・」

「俺でなくても、美果を

大事にしてくれる男が

いっぱい、いるから」

「俺が、そばに居なくても

大丈夫だよね?」

「それって!・・・」

「ごめん!今日で・・」

衛は次の一言が出てこない
美果は悟ったのか?

*大きな声で泣き始めた*

美果は、衛が肩を抱こうと
した手を振り切って
立ち去って行った。

衛は、追いかけて行けば
間に合う!

でも、これ以上
美果を苦しめることは
できない。

*今でも大好きだよ美果*

そう心で呟き涙をふいた。