ベッドで寝ている時
衛からの電話で
起きると。

「美果の部屋で

心霊現象が起きているよ?」

「ベッドから起きて

 南のカーテン開けて

 ごらん!」

「窓の外に人が

 居たらどうする!」

衛は、意地悪そうな声で
美果に話しかけた。

「そんなの、怖くないよ!」

「此処は、3階だし

 大丈夫だから」


「そうだよね?」


「今夜は綺麗な満月

 だから美果もみてよ!」


「だめだよ!電気付けると

 外から丸見えだから

そうだ北側のカーテンも
 
開けて見た方がいいよ」

美果は衛の言う通り
カーテンを開けると

「嘘つき、満月じゃ

 ないよ。上弦の

三日月だよ。」

「ごめん、美果と

同じ月を見たかったんだ」

いつもの甘えた衛の
声に美果は応じた。

「美果、今、三日月の

方へ向いているよね?」

「そうだよ!
 
そうでないと三日月

見えないよ!」

「じゃ!美果の影

 どこにある?」

「私の前にあるよ!」

「おかしくない?

 影って光の反対に

出来るのに!」

美果は悲鳴を
あげそうになった。