バイト中の青木は
ビニールの袋から
焼きたての焼き豚を
ビニールに入れ

「この焼き豚

美味しいから食べな!」

そう言って衛に
手渡し、立ち去った。

「どうしよう!これ」

千裟が

「後で日比谷公園で

 食べよう」

東京タワーに着き
エレベータで展望台へ
小学1年以来なので
大人になった二人には
あの時より狭く感じた。

千裟は
あの日見た景色と
違うのは、建物が
大きくなっている
様だが、印象にある
皇居や東京駅など
変わってなっかた。

そして衛への
千裟の気持ちも!

変わっていなかった。

物心が付いた時から
衛は私のもの
だから、衛の
いたずらにも
優しく応じて来た。

東京タワーから
日比谷公園へ
二人はゆっくりと
歩いて行った。

千裟はいつ衛へ別れの言葉を
告げようか!

本当は衛が好きだから
でも私がそばに
居れば衛に迷惑が
掛かる。

それに、あの綺麗な
美果に勝って衛を
振り向かせる事が
今の自分には
できないと思った。

別れの言葉を
言えず・・・

千裟は衛の手を
強く握っていた。

日比谷公園の西側にある
野外音楽堂の方から
公園のなかに入り
木陰を求めて
公園のベンチを
探していた。

ベンチに座り
音楽堂の自販機で
買った!1本のお茶の
ペットボトルを
二人は代わる代わる
飲んでいた。