8月に入り暑い日が
続いている水曜日
衛と千裟は
東京駅南口行きの
バスの中に居た。

成城から東京駅南口へ
のバスが出ているのを
二人は知っていた。

これに乗れば
電車のように
乗り換えないで
東京タワーへ行ける。

千裟の体力を考えれば
乗り換え無しで行ける
方法が一番だ。

始発であるから
二人は一番奥の左の
隅に座り仲良く
手を握っていた。

千裟はひまわりの
絵柄の
ミニのワンピースに
ひだの広い帽子、
ピンクのサンダル
そして胸には
あの・・・
ネックレス!

バスに乗る
乗客が千裟の姿に
目をやるほど
綺麗であった。

千裟は、最後の
思い出を・・・
これが衛と最後の
デート・・・

そう思うと
前の乗客の目を
盗んで衛のほほに
唇をあてた。

美果の住む
三軒茶屋をすぎ
池尻、渋谷とバスは
進む、六本木の
アナウンスに二人は
立ち上がりバスを降り
有名な喫茶店を横目にみて
東京タワーへの20分
位の道を歩いていた。

千裟が!

「衛、小学校の遠足

覚えている?」

「小1の時の遠足だよ!」

衛は・・・

「覚えてる!

 千裟におちんちん
 
 見られたこと!」

衛は男心に千裟に
小学生とはいえ
男の大事な所を
見られたのを
悔やんでいたのだ。