衛のバンドは
イギリスの
クイーンや
ローリングストーンズを
真似たロックバンドだ

だから自然と
派手な演出で
髪はハードジェルで
逆立って顔は
派手なメイクをし
上半身裸や
裸の上に首から
タオルをかけたり
して演奏していた。

リーダーの竹田は
一人っ子で母子家庭
母親はスナックを
経営しているので
夜は竹田一人だけ

中学のときから
竹田の家は
仲間の溜まり場に
なっていた。

竹田はギターが得意で
初めて聞いた曲でも
すぐにギターで弾く程
の腕前だ

竹田一人で
持ってるようなバンドで
ある。

「皆、別人みたい

普段の真面目な

イメージがなくて!

不良の

集まりってかんじ!」

「でも、カッコ

   よかったよ」

「女の子が

 沢山応援して

私、びっくりしたの!」

「衛、女の子に

もてるから心配!」

そういえば下校の時
他校の女子生徒が
声を掛けて来たり
写メを撮ったりした。

しかし、その手の
女子には興味が
なかった。

「美果だって!

 皆、男子が狙ってる

から、俺心配だよ?」

そう言って美果の
不安を解いた。

美果が静かになり
しばらく沈黙が
流れ・・・

衛はそっと美果の唇を
奪った。