「おじさん、あれは

 偶然だから」

美果は
さり気無くかわし
衛の手を引っ張って
パドックを後にした。

記念品やお土産を
売るコーナーに来た

「馬のグッズ一杯あるね」

ケースに入っているグッズを
見ながら衛は千裟への土産を
探していた。

競馬場へ来た証拠に
なるものはないか?

すると!

プラチナの鎖につながった
サラブレッドの
オブジェのネックレスをみて
これが良いと思った。

値札を見ると1万8千9百円!
高校生には、高価だが
プラチナなら安い!
それに千裟の為ならと思い

美果がトイレに行っている間に
店員に

「すいません。

 このネックレス

プレゼント用に

包んでください」

と言ってリボンをまとった細長い
箱をもらいバックの中に入れた。

そうだ!

衛は急に店員に

「もう一つ下さい!

 それは、このままで

いいですから」

と衛が言った時
後ろから美果の声が聞こえた。

「お土産買ったの?」

「うん!」

衛は店員から
渡された
ネックレスの箱を
開け

「美果!今日は

有難う!楽しかった

お礼だけど・・・」

美果はそのネックレスを
見て、

「このネックレス

私も欲しかったの!」

「高かったから

買えなかったんだ」

「いいの?」

衛は美果の背中に
回り、美果の綺麗な
襟足から輝く
ピンクの
ネックレスの上に

買ったばかりの
プラチナの
ネックレスを
かけた。