2階には
サラブレッドの歴史や
外国の競馬場などの
説明コーナーがあり、

その都度美果が
楽しそうに
衛に説明していた。

美果は、馬の魅力を
衛に知って
もらいたかった。

この博物館、
詳しく見ていれば
何時間も掛かりそうだ。

「もう!お昼の時間だね!」

と美果が言い出した。

「私、サンドイッチ

 作って来たの!

あっちの芝生で食べよう!」

と衛の手を握り芝生へと
向かった。

「飲み物俺が買うから」

「美果!何にする」

自販機の前で美果に
尋ねると

「お茶でいいよ」

衛はペットボトルの
お茶を2本買った。

芝生の中にもう
家族連れの人達が
色々な弁当を
広げていた。

二人の子供と母親が
弁当を食べている。

その近くで衛は
着ているブレザーを
脱いで芝生にひき
美果をその上に
座らせた。

美果はリュックから
サンドイッチの入った
タッパを取り出し
衛に手渡した。

蓋を開けると
綺麗に盛り付けて
ありホイルで区切り
鳥のから揚げも
入っていた。

「美味しそう!」
 
「本当に!美果が

作ったの?」

「そうよ!私、料理

 好きなの」

衛のため1時間かけて
作って来たのだ。

「どお!おいしい?」

「う・・・・!」

ふざけて言葉を
ためらっていると
美果が心配そうな
顔をした。