相変わらず乗客の
目線が美果を
見詰めている
電車が揺れるたびに
美果の身体にふれ
心地よく感じた。

美果を見ているだけで
幸せだった。

しかし・・・
千裟の事を思うと
複雑な思いである。

競馬場へ行くことを
やめ、病気の千裟と
一緒にいるつもり
だったが・・・

千裟が自分は平気だから
友達との
約束は守りなさい
と言ってくれた。

まさか競馬場が
デートの現場だと
千裟も
思ってない筈だ

終点の競馬場正門前に
着いた。

そこから300メートル
屋根付きの歩道を行けば
競馬場の中に入る。

足早に歩く人達を
尻目にのんびりと
手をつないだまま
二人は歩いていた。

競馬場に近付くと
大きな歓声が
聞こえた。

もうレースが
始まっている。

200円の入場料を
払い衛は美果の
案内に従い
競馬博物館へ行った。

正面の右側に
3Dの映像を上映
していた
家族連れで満室
に近いが二人は
子供向けの映画を
楽しんだ。

映画を見た後
左の部屋に行くと
シュミレーションゲームが
できる部屋があり
子供達で一杯だった。

美果に手を引かれ
館内を見て回ると
美果がホールに
飾ってある名馬の
前に立ち

「どの馬も超有名な

    馬なんだ!」

「こんな馬を出した

牧場も有名になるんだよ」