桜の花が咲き出した
春休みの日曜日
京王線下高井戸駅

ホームを行きかう
男達の目線がホームの
ベンチに座る
美果に
注がれている。

ジーンズの
ショーパンから
白い足がのぞき

胸元が少し開いた
花柄のシャツ
胸にはピンクの
ネックレスが
輝き!

そのお揃いの
イヤリングと指輪、

馬のアプリが
プリントされた
コーデロイドの
黒のジャケット

首からたれる
長い黄色い
マフラー

髪は少し赤く
その天辺に赤い花の
リボン付いた
つばが広いハットが
あった。

誰もがその容姿を
みて振り返る。
とても綺麗だ。

此処が渋谷か原宿なら

いかがわしい
スカウトマンや
ヤンキーなどが
声を掛けて来ている筈だ。

衛がホームにやって来た
衛も他の男と同じで
直ぐにその美しい美果を
見てしまった。

しかし、

チラミの男達と違う。

美果は

俺の恋人・・・???

携帯ゲームに
夢中の美果は衛に
気づいていない
衛はふざけて!

「お嬢さんモデルに

 成りませんか?」

「いいよ!

 衛のモデルなら」

美果は笑って答えた。

「何だ!ばれてたのか」

「ゲームやってるのかと

 思った?」

「見て!これ・・」

美果は携帯を衛に
見せた。

美果の携帯は
カメラに成っていて
衛の来るのをカメラの
ズームで覗いていたのだ。

「なんで、早く

 声かけてくれないの!」

衛を待ちわびている美果は
不満げに衛に言った。