「じゃ!お刺身取りにいくから

用意して置いてよ」

と言って電話を切り
千裟の母親に

「お刺身買ってあるから

家にとりに行ってきます」

「そう悪いわね!」

「まもちゃん

お肉たべる?」

「お肉も食べるけど

おばさんの作る

チーズフォンデュが

とても美味しいから

食べたいよ」

と気楽にお願いした。

千裟の両親はスイスへ
3年間赴任していた
その時、学んだ
スイス料理が千裟の
母は得意で本場並の
ソーセージを作り
衛の家によく持って
来てくれる。

急いで家に帰り

「おばあちゃん」

と叫ぶと

「まも・・これ準備

して置いたから」

と刺身が綺麗に盛り付け
した皿を祖母は
渡した。

衛は祖母の
ことを気にして

「おばあちゃん

シチュウ食べたい」

祖母の感謝の気持ちに
応える様に甘えた。

衛、好みの甘い味に
舌鼓をうつ衛をみて
祖母はいきなりの
衛の裏切りの行為を
許すように

「かずちゃん、どうなの」

と尋ねた。

「おばあちゃんの

言うとおり

大分、悪い見たいだよ」

「泣いて、ばかりで

千裟のご両親困っている

様だから今晩傍に

居てあげようと

思って・・・

ごめんおばあちゃん」


「いいよ、まも!

かずちゃん !のためだから」


衛は、刺身の皿を持って千裟

の家に帰った。